スキーマ―とは?

スキーマとは、人の認知過程を説明する際に使われる概念の一つであり、認知心理学の用語です。

 

スキーマとは、言わば自分が生きていく上での「ルール」や「パターン」のようなもので、過去の経験や知識から物事の捉え方を決めています。

 

例えば、「結婚して家庭を持たなければ、人は幸せになれない」というスキーマを持っている人は、独身の人を見ると不幸だと思ったり、自分が結婚できないと不安になったりします。

 

スキーマは、人によってさまざまな種類があります。

 

- 人物スキーマ…特定の特徴を持つ人物に対して、それに対応した価値観をイメージする
- 自己スキーマ…自分の特定分野における行動・行為のためにイメージする
- 事象スキーマ…状況に対応するためにイメージする
- 役割スキーマ…自分の社会的な役割を果たすためにイメージする

スキーマは、メリットとデメリットの両方を持っています。

 

スキーマのメリットは、以下のようなものです。

- 過去の経験や知識から、危険を予測することができる
- 一つの行動を「パターン」として理解し、行動や判断をスムーズに行える
- 関連したものを結びつけて考え、全て0から考える負担をなくす

 

スキーマのデメリットは、以下のようなものです。

- 思い込みや先入観から、情報不足のまま決断してしまう
- 過去の体験をもとに、ネガティブな思考をしやすくなる
- 行動や環境の変化の際に労力を要するときがある

 

CBTとは、認知行動療法のことで、自分の考え方や行動に働きかけて、ストレスや不安などの負の感情を軽減する心理療法のことです。

CBTでは、スキーマを改善することが重要な目標の一つです。

CBTでスキーマを改善する方法は、以下のようなものです。

- スキーマを特定する:自分の悩みやネガティブな思考の原因となっているスキーマを見つける
- スキーマを検証する:スキーマから生じるメリットとデメリットを書き出し、自分にとって役に立つかどうかを判断する
- スキーマを修正する:役に立たないスキーマは、より柔軟に生きやすいスキーマに書き換える

以上が、スキーマとCBTについての説明です。